食べログ一強に暗雲。Googleマップで店選びをする若者たち

長年、グルメサイト界を牽引してきた「食べログ」、そして大人数の飲み会などで欠かせない「ぐるなび」。しかし、近年ではGoogleマップやInstagramなど、「プラットフォーム」と呼ばれるソーシャルメディアが存在感を強め、若者を中心に利用者の流出が加速しているという。

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株式会社ぐるなびの決算発表によると、営業利益が前年比74.4%減、最終利益が81.8%減と大幅に下落。6月19日、楽天の常務執行役員を務めた杉原章郎氏が代表取締役社長に就任し、経営立て直しを図っている。

また、業界トップシェアを誇っていた「食べログ」も、月間利用者数は2018年6月の約1億5418万人から、2019年3月期には1億1917万人へと大きく減少した。

「もう戻れない」Googleマップ利用者の声

利用者の流出が加速するきっかけとなったのは、1月18日に行われたGoogleマップのアップデート。新たに「検索の絞り込み機能」が追加されたことで、飲食店舗の検索が可能になり、グルメツールとしての機能が劇的に向上したのだ。

「もともとは食べログを利用していました。でも、Googleマップの使い心地を知ってしまったら、もう戻れないです」と、会社員のSさん(22歳)は話す。

「僕は今まで、行き先で昼食を取るときに食べログをよく使っていました。ただ、初めて行く場所だと、目的地に向かうためにGoogleマップを開きっぱなしにするので『一度サイトを開いてお店を探して……』っていうのが手間なんですよね。その分、Googleマップは道案内も兼ねてくれるので、寄り道がてらお店を探すときには格段に便利です」

食べログのレビューは「専門的すぎて抵抗感」

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Googleマップでは、検索画面から「レストラン」というアイコンをタップすると、近隣の飲食店がレビュー付きで表示されるが、これも評価が高い。

「店舗のレビューなんかも、簡潔で距離感の近いものが多い印象です。食べログってレビューが専門的すぎて、読むときに少し抵抗感があるんですよ。それに最近は、“店舗の印象操作”とか、“良いレビューしか載せない”とか、あまりいい噂を聞かないですよね。それなら多少素人感があっても、自分と似た人のレビューを見たほうが参考になる気がします」

Sさんは「Googleマップのほうが直感的にお店を選びやすいです。検索画面を一度開けば、ジャンルによらず人気店舗が表示されるので、何を食べるか決めていないときに助かります」とも語る。

Instagramで「雰囲気重視」のお店探し

またGoogleマップと同様に、若年層向けにグルメツールの存在感を高めているのがInstagramだ。大学生のYさん(20歳)は休日、ランチや軽食を調べる際にInstagramを利用している。最近では「インスタで、行きたい飲食店を選んでから目的地を決める」ことも増えてきたそうだ。

「私はお店を探すときに“オシャレさ”を重視しているので、ツボにはまったお店があれば、用事がなくても足を運んだりしています。インスタでは店内の特徴を抑えた写真が多いので、自分の好みにあったお店を探しやすいですね。最近は、大好きなインスタグラマーが訪れているお店によく足を運んでいます」

また、訪れた店舗の写真をハッシュタグを使って投稿すると、他のユーザーと繋がれる点も魅力だという。

「インスタ映え」で席交換…マナーの悪い客も

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しかし一方、こういったInstagram経由のユーザーに困惑している店舗も。「正直なところ、どう対応すればいいのか…困っています」と、グチをこぼすのは喫茶店でアルバイトをしている、Nさん(20歳)。

Nさんのアルバイト先は中央線沿線の老舗の純喫茶。古風な佇まいとクリームソーダが売りだったが、Instagramでその“オシャレさ”が拡散されるや否や、人気が急騰。連日多くの客が訪れるようになった。

「お客さんが増えるのは嬉しいんですけど、私達の喫茶店は交流の場としての立ち位置が強かったので、古くからの常連さんとコミュニケーションが取りづらくなってしまいました」

さらに“インスタ映え”ならではの問題点も。

「以前、インスタを見ていらっしゃったお客さんで『インスタで見た席でクリームソーダを飲みたいので、席を変えてほしい』とクレームがついたことがありました。店内では客席ごとにテーブルクロスが異なっているのですが、インスタで投稿されていた写真のテーブルクロスが、一番“映え”るそうで。

ちょうど混雑している時間帯だったので、どうにか今の席で我慢してくださいとお願いしたのですが、とても不満そうでした。このような方はほんの一部なのですが、正直『料理の味とかは気にしてないんだろうな』とがっかりしました」

グルメサイト存続の鍵となるのは…

グルメツールとしての需要が高まる一方で、こういった雰囲気重視の客層が増えてしまうのはSNSならではの弊害だろうか。

プラットフォームの存在感が高まり、大きな転換点にさしかかったグルメツール事情。「食べログ」や「ぐるナビ」は、「膨大なレビュー」や「評価機能」といった本来の優位性が失われつつある一方、Instagramにみられるように、SNS特有の店舗探しも生まれ始めている。

流出してしまった若年層を再び呼び戻せるか。従来の機能にとらわれない新たな利便性を打ち出すことが、グルメサイト存続の鍵となるだろう。

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1~6月訪日客、最高1663万人に

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日本政府観光局(JNTO)は17日、2019年1~6月の訪日外国人客数が前年同期比4.6%増の1663万3600人だったと発表した。2桁の伸びを記録した前年と比べて伸び幅は鈍化したが、半期としては過去最高だった。中国やタイ、欧米が増加をけん引している。一方で韓国は半期として5年ぶりに減少しており、台湾や香港もわずかに減った。

 

訪日客数最多は中国で、前年同期と比べて11.7%増の453万2500人。全体の3割弱を占めている。伸び幅で見るとベトナムが30.3%増の25万3200人、タイが12.7%増の68万3700人と好調だった。

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